令和4年 祭頭祭(変更3月11日)

2022年3月11日

 現今の新型コロナウイルス感染症感染拡大の状況を鑑み、左方泉川郷・右方居合郷両祭事委員会、関係諸団体、当宮で入念な協議を致しまして、この度の令和4年祭頭祭執行にあたり下記を決定致しました。この度の執行につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止並びに今後の感染拡大を懸念致しまして、この度の祭頭祭諸祭行事の日程を変更することとなりました。下記の日程通り執行致します。 

※1 祭典時に特例にて「次年度の祭頭祭を担う郷」を占う「神占之儀」を執行致します。
※2 泉川郷「囃込み」は、大鳥居から本宮前の間となります。交通規制はありません。
  泉川郷「祭頭囃し出陣式」(午後1時)は鹿島神宮 第一駐車場にて執行されます。
※3 居合郷「囃込み」は、仲町、角内、大町を経て神宮境内に進みます。交通規制が実施されます。
   居合郷「祭頭囃し出陣式」(12時30分)は新仲家にて執行されます。  
※4 春季祭は、特例にて4月2日に執り行います。

 両字(泉川郷・居合郷)の祭頭囃しの日程が異なる点におきましては、両字ともに新型コロナウイルス感染症対策を万全に計画し実施することを大前提にしながらも、数十年という周期でしか廻って来ないこの「当番字」という栄誉ある記念の年にあたり各郷各集落の住民方々の思いをまず第一に尊重致しました結果、当宮・関係諸団体の合意の上、表記の日程となりました。
 この決定につきましては、本来であれば例年の日程通り執行すべき祭典であることは、関係各位充分な認識のうえに立ちながらも、各郷ほか参加者の健康保全並びに感染拡大防止という社会的責務を全うすべく、幾度と無くまた長い時間を用し協議を重ね、各郷並びに関係諸団体の苦渋の決断の上なされましたことを附記致します。
 祭頭祭諸祭行事を愉しみにされておられました皆様におかれましては、誠に恐れながら御理解を賜れたらと存じます。

3月9日、3月12日の交通情報

3月9日(水)、3月12日(土)の祭頭祭・泉川郷祭頭囃しでの交通規制はありません。
4月2日(土)の居合郷祭頭囃しの際には、鹿島神宮周辺では交通規制が実施される予定です。
交通規制内容が決定致しましたら、webサイトで御案内致します。

令和4年 祭頭祭 当番字

左方 泉川郷
 泉川郷は、鹿島灘と鰐川の間に位置し、泉や湧水が多く、水田を潤していたことが語源と言われています。開村は鎌倉初期とされ、本地区の鎮守の杜は「熊野神社」であることから、紀州からの移住者と推測されます。大東亜戦争中は、東の光地区に神之池航空隊が置かれ、終戦間際には激しい爆撃にさらされました。1961年から始まった「鹿島開発」では、地域の発展を願い、高松工業団地や北公共埠頭用地の為に提供。また戸数や人口の減少といった地域運営を経験致しました。本年の祭頭囃しの奉納は、二十七年ぶりとなります。

右方 居合郷
 居合郷は、鹿島神宮より北西8㎞北浦の湖岸に広がる集落です。昔は奈良・京都ように方格の条里制の上に立地し農業や漁業を行っていた時代もありました。居合郷集落ができたのは、鹿島三郎成幹(不明-1109)の随兵となり、「天正十九年(1591年)農に帰す」との書物があり、これによれば室町時代末期からの頃と思われます。居合郷祭頭祭の奉仕記録によれば寛永十七年(1640年)より卜定されて奉納しなかった事が一度もなく氏子として誇りとなっています。

祭頭祭とは

祭頭祭は、元々は66郷(現在は52郷)の氏子地域が南北に分れ、左方・右方それぞれから当番地区(大字)が1地区ずつ選出され、通常2つの地区が選ばれて祭典に奉仕致します。前年の「春季祭」の神占により当番が決定し、観衆に宣言されるところから当番地区の一年が始まります。当番についた地区は一年間地元の鎮守様の社に鹿島神宮のご分霊をお迎えして祀り、祭事事務所の設立、大豊竹の選定、大総督(または新発意ともよばれる)の結納、祭頭囃の練習など、祭頭祭を巡る様々な準備を一年がかりで行います。3月9日の祭頭祭当日になると、大総督を始め祭事委員の役員たちは大勢の参列者が見守る中、神職とともに昇殿し祭儀に参列いたします。鹿島神宮の大前に五穀の豊穣と国家・皇室の弥栄が祈られ、大総督と祭事委員長は当番地区を代表して玉串を捧げ鹿島の神に祈りを捧げます。地元では春を告げる鹿島立ちの神事と考えられています。祭頭祭は時代によってそれぞれの付会がなされており、神仏習合の江戸時代には新発意(出立)から常楽(彼岸)に至る「常楽会」とされ、明治になってからは五穀豊穣を祈る「祈年祭」とされ、昭和初期には当時の富国強兵の流れを受けて「防人の祭」とされました。いずれも「新たな出立」を意味しており、この祭りが日出づる東に位置し「出立・始まり」を司る鹿島の大神への古代信仰「鹿島立ち」を淵源としていることが伺えます。