平成二十六年 御船祭

平成26年9月1日から3日にかけて、天皇陛下の御遣いである勅使をお迎えしての例祭に続き、鹿島神宮の御祭神である武甕槌大神が約3,000人の大行列・約120艘の大船団と共に巡幸して香取神宮の御祭神である経津主大神と水上で出会う、12年に一度の御船祭が斎行されました。

御船祭の由緒

常陸国風土記に「毎年七月に舟を造りて津宮に奉納する」とあるように、鹿島の神と船との関係は創建時代にまで遡ります。

東路の果てに位置する鹿島はその昔、外海の太平洋と西の内海の中で船団の航行によって栄えた古代東国文化の要衝でした。御船祭は、東海を扼する鹿島に鎮座して関東の開拓鎮撫に当たる鹿島の大神を奉ずる当時の人々の足跡を伝える祭であり、およそ1700年前の応神天皇の御代より伝わる鹿島神宮最大の祭典なのです。

12年に一度の午年に斎行されるのは、十二支が一巡すること、また午は方角では南、時刻では正午と陽性が最も盛んであることから来ています。この大祭にはあらゆる邪気と不景気を祓う一陽来復の願いが込められています。

御船祭の見どころ

水上巡幸御船祭はその壮麗さとその規模共に鹿島神宮最大の祭典であり、内海での御船祭としては最古最大の祭典ですが、その見どころは以下の通りです。

まずは9月1日午前10時、勅使をお迎えしての例祭が厳粛に斎行されます。そして午後4時半より提灯まちの神事があり、大きな青竹にたくさんの提灯をつけた大提灯が勇壮に練り歩き奉焼され、その後午後8時より神幸祭が斎行、御分霊を奉戴した御神輿行宮渡御します。

9月2日午前8時、行宮発輿祭の後、約2千名の供奉員による「鹿島立ち」の陸上大行列があり一路大船津へ。北浦沿岸の大船津には昨年竣工した水上鳥居としては国内最大級の一之鳥居がありますが、そこに設置された桟橋を通って御神輿が鳥居をくぐり御座船へと進む様は見どころの一つでしょう。これに先立ち大船津では様々な奉祝行事が行われ祭りを盛り上げます。御発船祭の後、御神輿奉戴した竜頭で飾り付けた御座船は八十余隻の供奉船を従えて鰐川から浪逆浦を経て香取市加藤洲斎杭まで進みます。その間の船団渡御は約2時間を要します。拝観は大船津より南へ伸びる堤防、新田、谷原、鰐川の両岸の堤防が良いでしょう。正午頃、香取神宮による御迎祭があり、対岸の潮来河岸では、奉迎者の前で奉祝行事が賑やかに行われます。御迎祭を終えると船団は一路帰途へつき、午後4時半に楼門前にて行宮着輿祭が執り行われます。このように、9月2日はその全てが見どころと言えます。

9月3日午前10時には行宮祭を斎行、そして午後3時には御神輿を本宮に還御する還幸祭が行われ、12年に一度の大祭は終りを告げます。

この他、大祭を盛り上げるべく様々な奉祝行事が行われるほか、祭り期間中町内では山車が引き出され祭りを彩ります。

巡幸路図

※9月2日は無料シャトルバス・JR臨時特急・臨時普通列車の運行が設定されているほか、駐車場の大幅な変更や国道51号線封鎖を含む大規模な交通規制も行われますので、お越しの前に必ず【重要】9月2日にお越しの方へのページをご覧ください。

日程

祭儀

8月31日(日) 午前 御座船清祓式
9月1日(月) 午前10時 勅使参向例祭
  午後8時 神幸祭
9月2日(火) 午前8時 行宮発輿
  午前9時半 発船祭
  正午 香取神宮御迎祭
  午後1時半 潮来河岸御発船
  午後3時 御着船祭
  午後4時半 行宮着輿
9月3日(水) 午前10時 行宮
  午後3時 還幸祭

奉祝行事

8月24日(日) 午前9時 鹿島神宮奉納全国少年剣道大会
8月30日(土) 午前 小堀遠州流呈茶
  午後1時 小笠原流流鏑馬
  午後2時 小堀遠州流献茶式
9月1日(月) 正午 鹿島神傳直心影流奉納演武
9月2日(火)   大船津、潮来特設舞台にて
 会瀬 鹿島神社ささら
 成沢 鹿島神社ささら
 網代 阿治古神社鹿島踊り
 熱海 来宮神社鹿島踊り
 鹿島踊り保存会 鹿島踊り ほか
9月3日(水) 正午 古武道演武大会
9月7日(日) 午後2時頃 鹿嶋流騁射

ライブラリー

平成14年の御船祭の様子を写真とビデオでご紹介します。